日本の育児事情は?

2011年5月に国際NGOのセーブ・ザ・チルドレンが発表した「母親になるのに適した国ランキング」によると、日本は総合評価で164カ国中28位、中でも保健・教育など子育て環境の分野では2位にランクインしました。これは東日本大震災前の調査ですが、子育て環境が2位だった背景には、5歳未満の乳幼児死亡率が世界最低の0.3%だったことがあります。ですが、日本の育児事情を考えたとき、世界的にみても、子育てしやすい環境が整っているとは言いにくいのが現状です。その理由に、日本の育児に対する意識の低さがあります。まず、日本の育児休業制度の法定期間が1年なのに対し、フランスやドイツは3年と大きく開きがあり、さらに育児休業中の所得保障も日本の賃金の40%に対し、フランスは月額7万円、ドイツが月額4万円と定額化されているのが特長です。ヨーロッパでは父親が育児休業を取得することが一般的なのも、大きく違うところです。実際、厚生労働省の2010年度雇用均等基本調査によると、女性の育児休業率は83.7%、男性にいたっては1・38%というのが実情です。保育園の待機児童問題や、仕事を育児を両立しにくい企業風土など、日本の育児を取り巻く環境は決して整っているとはいえません。そうした現状を打破すべく、2010年には育児・介護休業法が改定され、2012年以降は中小企業もその対象になります。日本では母親に集中しがちな子育ての負担を軽くし、日本の社会全体が仕事を続けながら育児ができる環境をつくるよう、期待したいところです。